大学について(北海道大学)

1.キャンパスライフ

 北海道大学は札幌・函館に2つのキャンパスを持ち、基本的には函館キャンパスを使うのは水産学部3・4年生のみであるため、ほとんどの北大生は札幌キャンパスで4年間を過ごす。また道内の高校から進学してきた北大生はわずか3割程度であり、残り7割は道外出身である。そのため一人暮らしがほとんどであり、北大の周りにはマンションやアパート、学生会館が多くあり、夏は自転車通学、冬は雪で自転車が使えないため徒歩通学する生徒が多い。都内のように電車通学をする生徒は、実家暮らしの人のみである。

 一人暮らしにも主に2つの形態があり、アパートやマンションで自炊を行ういわゆる一般的な一人暮らしと、学生会館である。学生会館とは朝・夕食がついた一人暮らしであり、初めての一人暮らしで栄養バランスが崩れやすいのではと心配される家庭向けといえる。ただ食事できる時間が限られてしまうため、1年生を学生会館で過ごした人でも、学部の授業が本格的に始まる2年生以降は学生会館を出て一人暮らしを始める人がほとんどである。また北大のキャンパスは地下鉄の駅4つ分ととても広く、学部により棟が大きく離れている場合がある。1年生は全員教養棟と呼ばれる建物で学び、2年生以降はそれぞれの学部の棟で学ぶため、棟が大きく変わる場合はやはり2年生のタイミングで引っ越す人も多い。

 昼食は食堂で取る人がほとんどである。学内に食堂は多数存在するが、1年生が主に使うのは教養棟に近く最も大きい北部食堂である。昼休みは外に列が出るほど混むため、空きコマに食べる人も少なくない。またミールカードという1日一定金額まで支払える、北大の全ての食堂で使えるカードがあり、長期休みも含めてよく食堂に通う生徒はこれも購入したほうがお得である。学生会館で暮らしミールカードを持っていれば三食保障された、食事に関しては実家暮らしと変わらない生活が得られる。

2.授業

 授業は大きく教養科目と、学部専門科目の2種類が存在する。1年生で教養科目を卒業単位数取り切り、2年生以降で学部専門科目を学ぶのが一般である。(稀に教養科目を1年生のうちに卒業単位数取り切れず、2年生になっても学部専門科目と並行して教養科目を学んでいる生徒がいるが、前述したように2年生からは各学部の棟で学部専門科目を学ぶため、学部によっては教養科目を受けに教養棟まで大きく移動しなければならない。) 1年生は学部に関わらず全員教養棟で教養科目を学ぶため、学部どころか文理の垣根さえ感じることは少ない。また北大には総合文系、総合理系と呼ばれる入試制度が存在し、これらで入った人は1年生の間に教養科目で様々な学問に触れ、学びたいことを見つけて2年生以降各学部に分かれる。ただ2年生進級時に学部を選ぶ際は成績が大きくかかわるため、既に入学前からやりたいことが決まっている人は学部入試で入るのが無難である。また1年生のうちは便宜上「基礎クラス」と呼ばれる45人程度のクラス分けが存在し、このクラスをもとに必修の授業のクラス分けなどが行われる。しかし2年生以降は総合文系・理系が各学部に散らばることもあり、ほとんど機能しなくなる。

 1年生は全員教養科目であるため時間割は大きく変わらないが、やはり2年生以降学部によって時間割が大きく変わる。忙しい学部で一生懸命勉強したいか、楽な学部で余った時間を有効活用して自分の学びたいことを突き詰めたいかも学部を決める大きな条件の一つといえる。

 また北大は英語教育に大きく力を入れており、1年生は英語を必修とし、またTOEFLの受験も義務づけており、TOEFLやTOEICで一定以上の点を取ると後期の英語の授業を免除されるなど、英語教育制度が発達している。また留学制度も様々存在し、語学はもちろんのこと、研究や就職などそれぞれの生徒のニーズに合わせた制度が整えられている。留学生の受け入れも盛んで、教養科目の一部である国際交流科目を取れば一緒に学び交流することも可能である。

 また英語教育と並行して第二外国語教育も盛んであり、全員1年生で第二外国語が必修である。武蔵で第二外国語を学んだ生徒はさらに深く学ぶことも、他の外国語を学ぶことも可能であり、武蔵生なら武器をさらに増やせるよい機会といえる。

 成績評価について、教養科目はレポートが多く、学部専門科目は学部によるが法学部に限って言えば試験が多い。試験では毎年同じ問題を使う先生が多いので、同じクラスや学部の先輩に過去問をもらえると有利なことが多い。特に総合文系・理系の生徒は行きたい学部に行くには成績が求められるため、嫌な話にはなるが楽単(楽に成績を取れる単位のこと)を知るなど、いかにうまく成績を取るかが重要である。その点、学部生はよい評価は得られずとも単位さえ取れれば2年生に進級できるため、果敢に自分の興味のある授業を取れるという利点がある。また教養科目は出席に厳しい授業が多く、8割(全15回中12回)以上出席しないと単位が与えられないものがほとんどである。学部専門科目はまた法学部に限った話になってしまうが、出席は関係なくすべて試験で成績が決まるものが多い。自転車通学で学校が近いため、武蔵に比べ寝坊はしにくいといえるが、一人暮らしは自己責任なので強い意志が必要ともいえるだろう。

 休み時間の過ごし方については、図書館で本や映画を見たり、体育館で運動をしたりと様々だが、大学は空きコマがあるため何時間も休み時間があることもあり、自転車通学の生徒は一度家に帰って寝たりゲームしたりする生徒も少なくない。

3.学校行事

 学校行事は主に楡陵祭、金葉祭、クラスマッチなどがある。楡陵祭とは一般的に言われる大学祭のことで、毎年6月初めに行われ、1年生のうちは基礎クラスごとに出し物を、2年生以降はサークルや有志で出し物をする。余談だが、留学生が出店する各国の料理が本当においしい。金葉祭は毎年10月末に行われ、銀杏並木をライトアップするという北大の自然を大いに生かしたといえる祭りである。しかし去年は大学に脅迫メールが届いたことで中止となっている。最後にクラスマッチとは1年生による体育祭のようなもので、4月末にクラスの親睦を深める目的で行われる。ダンスの出し物などもあり、大変な分とても楽しい。クラスマッチの参加には体育会への入会が必要であり、入会金はかかるが、体育会に入っていれば休み時間や空きコマに体育館が使えたり、用具を安く借りれたりするのでほとんどの生徒が所属している。

4.交友関係

 大学でのコミュニティーは主にクラス、サークル、バイトの3つがある。特に道外から来た一人暮らしの人は、家でも話す人がおらず地元の友達とも会えないので友達を作らないととにかく孤独である。この3つの中でも特にサークルで作ることがおすすめである。クラスは2年生から機能しない上に長期休みでは会う機会が少なく、さらには同じ学年でしか交友関係が広がらない。バイトは職種によるが話せる機会は少ない。サークルであれは長期休みも会う上に遠征や合宿などで深く関われ、さらには縦のつながりも得られるため、過去問をもらえるなどして成績にも有効といえる。