~紅茶同好会KUREHA 0から作る茶の「輪」~
1.はじめに:なぜ部活動・サークルに入るのか
部活動やサークル(以降「サークル」に統一)は大学生活を彩る花の一つと言えるだろう。学生の本分は「勉学に努める事」ではなく、「見識を広げる事」であり、前者は後者に含まれると私は考えている。つまりは、サークルは勉学では分からない事を経験する場であるという事だ。サークルでは興味の赴く事が出来る環境と言えるだろう。
また、欠かしてはならないのは友人を作る場でもあるという事だ。決まった授業や決まった席がない大学では友人を作る場は貴重だ。その点で、サークルというのは興味が近い人がいる上に活動の度に会うのだから、最適と言えるだろう。
それにもかかわらず、私はというと大学1年の夏学期にはサークルに入ることが出来なかった。考えていた活動とは異なっていたり、活動に度々出るものの正式な構成員ではなかったりなど、優柔不断な態度で本腰を入れて関わることが出来ないでいたからだ。しかし、紆余曲折あって現在ではここに記事を書けるくらいにはサークルを語れるようになったので、経緯をかいつまんで話していこう。
2.作成編:何って、サークルを作っただけだが?
サークルは星の数ほどあるが、実は結構分野が偏っており、特にスポーツ系や音楽系などは比較的潤っている。私は青春するのが苦手なので、文化系を調べることになるのだが、雰囲気が合わなかったり、活動範囲が過剰に広いもしくは狭かったりして、ピンとくるのが無かった。このように次々に出てくる言い訳をもって夏学期を過ごしたわけであるが、秋学期までにサークルに入りたいと感じていた私は、いっそのこと自分で作ろうと思いついた。武蔵では90年以上の伝統がある太陽観測部に所属していた私が新しくサークルを作ったと思うと感慨深い。
紅茶を勉強したいと考えていたが紅茶サークルが無かったので、いい機会だと思いSNSで初期メンバーを募集した。また、(麻雀で知り合いになった)友人が協力してくれるというのでともに運営を行うことにした。サークルというのは決まった活動があまりないため、活動を何度も考案・企画・運営する必要がある。会員の所属意識を高めるために持続する必要があるというのも大変な事だった。だが、それだけでは会は持続できない。大きなイベントなどの目的意識がない活動は廃れていく一方だからだ。その話を次章でしよう。
3.運営編:紅茶が飲みたかっただけなのに……
熱心な友人の手助けもあり、会を持続するために新歓や学園祭を手さぐりながらも行う事にした。ここら辺から私は忙しくてゆっくり紅茶が飲めなくなってきた気がする。
まず新歓である。弱小サークルが新規会員を集めるためには広告が必須なため、SNSを何度も更新し、サークル紹介にも出て、カフェに頼み込んで新歓のお茶会を格安で行うなど出来ることを全て行った。そのおかげもあって、新入会員をある程度獲得することが出来た。ちなみに裏話として、「東京大学の新入生」じゃなければ新歓を行ってもよいという事だったので「他大の新入生」を新歓で働かせたりもした。今思えば頭がおかしいと思う。
次に学園祭への出店である。東京大学は5月と11月に二度学園祭があり、それぞれについてメニューの試作や当日の運営を入念に準備したものの、当日はなかなか予定通りにいかなかった。私はどちらも1分も休まずに働く羽目になったが、責任感でギリギリ発狂せずに済んだ。武蔵の記念祭で駄菓子を休みなしで売っているようなものだと思えば分かりやすいかもしれない。
当然、これらに加えて普段の活動も企画する必要があったのは言うまでもない。運営になるという事は、毎日サークルの事を考える事だ。これは多分、高校の部活でも同じであると思うのだが、あえて違う点を挙げるとすれば、出来ることが多い点だろうか。やろうと思えば何でもできるのが、サークルの醍醐味だ。次章はそれについて話していこう。
4.活動編:正直頑張りすぎたと思っている
外部団体との交流は、会のモチベーションを大きく高めることが出来る。この「外部団体」というのは他のサークルだけでなく、企業なども含まれる。私はSNSと友人同士のつながりを用いて、他のサークルとの合同活動や企業と協力してブレンドを作成・販売するなど様々な事を行った。社会的な責任も生じてくるので大変な部分も多く、時間を取られるのは必至だ。
さらには、会員が提案した新企画を実現するのも面白い。例えば、コミックマーケットに出展して紅茶に関する本を頒布したり、キッチンカーで六大学野球に屋台を出したりなどは新鮮な経験だった。当然このような活動は忙しさに拍車をかけるわけだが……。
5.おわりに:俺達の活動はまだまだこれからだ!
このように、サークルを運営するというのは何から何まで忙しく煩わしい事ばかりで、学業と両立するのも一苦労である。だが、冒頭で話したように、これらの活動は明確に「見識を広げる」のだ。活動を通して紅茶を深く知るのに加えて、紅茶を通じて得た人間関係や経験は何物にも代えがたいものだと思うし、今後もそのような活動をしていきたいと思っている。
ここで書いたことは、中高の部活動の運営でも活かせることが多いと思うので、該当する生徒は是非頑張ってもらいたい。また、これを読んだ生徒は、大学、ひいてはサークルに入った暁には、是非とも運営をして欲しいと私は思っている。平の会員でもサークルの雰囲気は楽しめると思うが、全く異なる「見識」がそこにはあるのだと思う。